伝えたいこと

楽しいことも悲しいことも、色々発信していきたいです。

こころの声を聴くということ

 「Caught in the undertow…」。Linkin Parkの名曲「Numb」の一節です。「The undertow」という言葉は、日本語で言うところの川の「底流」のことです。Numbの歌詞を読み解いていくと、その意味は、自分自身の表面的な感情だけではなく、心の底(底流)の本来聞こえてこない「こころの声」に耳を傾けよ、といったところでしょう。自分のこころの底にある「こころの声」を、川の水面からは見えない底流に例えているのだと思います。非常に感情的な意味合いの強い言葉で、わたしの大好きな一節です。
 Linkin Parkの名曲の一節を事例にあげましたが、「こころの声」を「聴く」とはいったいどのようなことなのでしょうか。改めて自分なりに検討してみたいと思います。

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あたりまえ・常識

 普段のわたしたちは、周囲のあたりまえや常識という概念によって強く縛られて生きています。行動の基準が自分自身ではないため、そういった社会のあたりまえや常識に沿って生きることは、ある意味楽であるという考え方もできます。しかしその反面、そういった概念によって「自分らしさ」を見失ってしまったり、あるいは無視されてしまうという問題点があることも事実です。
 実生活を振り返ってみると思い当たることはないでしょうか。本当は自分はこうしたいのに、ああしたいのに、という気持ちがあるにも関わらず、それでも常識やあたりまえに沿って生きなければならないために窮屈な思いをするということが。そして最終的に、「自分らしさ」を喪失してしまったり無視されてしまうということになるわけです。わたしは、「あたりまえ」や「常識」が浸透しきってしまっている今だからこそ、自分の「こころの声」に耳を傾けてみることが重要なことであるように思います。

「傾聴」とはなにか

 わたしは臨床心理士や学校臨床心理士など心理学関係の資格は一切持っていませんが、わたしの醸し出している雰囲気がそうさせるのか、昔から人によく相談されることが多かったため、相談に関する知識を暇なときに勉強したことがあります。
 勉強した中で最も印象に残っていることは、カール・ロジャースの「傾聴」です(虎の助っ人外国人ではないですw)。ロジャースは、カウンセリングのなかでも大切なことに「傾聴」があるとしています。従来の心理学では、クライエントに対して何らかの指示を与えて治療をすることが通念でしたが、ロジャースは、カウンセラーの役割はクライエントの話に「傾聴」することに意味があるとしました。
 ロジャースがこの場合に用いた「傾聴」の意味は、カウンセラーがクライエントの話をよく聴いて受容すればよいというのではありません。カウンセラーがクライエントの話を聴いて受容している姿をクライエント自身が見ることによって、クライエント自身が自分の「こころの声」を聴くことができるようになり、自分自身の本来のあり方を受容することができる、ということがロジャースの「傾聴」の本来の意味です。

「こころの声」を聴く

 ロジャースの「傾聴」の理論をもとに考えていくと、傾聴とは話しての話をよく聴いて受容や理解をすることだけが大切だというわけではないことがわかります。実際に目の前にいる話し手だけではなく、自分自身の「こころの声」にも耳を傾けることにも注目すべきなのです。
 先に見てきたように、人間社会にはあたりまえや常識が浸透しており、わたしたちはそうした概念によって日々の生活を縛られています。自分らしさを犠牲にして生活を強いられることが、それこそ「あたりまえ」になりつつありますが、それが一人一人の生きづらさになっています。その生きづらさは自分らしさの喪失や無視によるものですから、たとえ生きづらい社会のなかであっても、自分らしさを想起することが必要になってきます。だからそういうときにこそ、自分自身の「こころの声」に耳を傾けてみる、もっとカッコつけた言葉で表現をするならば、「こころの叫び」に気づいてあげることが、あたりまえや常識の浸透している社会で暮らしていくためには必要なことであるとわたしは考えます。

自殺を考えている人のためのホットラインサービス

 さて、最後に関連記事をひとつ紹介しておきます。今回の記事でも自分らしさをテーマにした生きづらさを考えてみたわけですが、世の中にはもっとたくさんの生きづらさがあふれています。そうした生きづらさへの対処として、自分で自分の命を絶つという選択をしなければならない人も現実として存在しています。以下の関連記事はそうした人たちへ向けた記事です。今回の記事の冒頭で紹介したLinkin Parkの元ボーカルのチェスター・ベニントン氏も、残念ながら自殺をしてしまいました。ひとりでも多くの方に、自殺以外の選択ができるようになればという気持ちを込めて書いた記事です。何かの、誰かの参考になれば大変うれしく思います。

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